おやつ in ウガンダ
現在、南アフリカのナイズナ(Knysna)という町にいます。旅も残す所、あと4日間となってしまいました。旅立ちの日には、いつも途方もない旅路が待っているようにに感じてしまいます(実際、今回はアフリカをほぼ縦断しているので途方もないのですが)。でも、旅も終盤になってくるとなんだかあっという間だった気がしてきます。寂しい。
さて、気を取り直して今回はウガンダの旅の後編を記したいと思います。どうぞ。
Vol.9 ティラピアのスープ
ティラピアはアフリカ全土で広く食されている淡水魚で、さっぱりとした味の白身魚です。なんといってもウガンダの首都カンパラは、アフリカ最大の湖であるビクトリア湖が間近にあります。湖岸で獲れるティラピアは、人びとの食生活にも欠かせません。
今回はそんなティラピアのスープをいただきました。今回の旅で初めて食べる魚です。オーダーするときに頭か尻尾、真ん中の部分かと聞かれたので、「真ん中」と回答。するとこんなスープが出てきました。
久しぶりの魚介類に興奮しながら、厚めの皮をフォークで剥ぎます。これくらい大きなティラピアだったら、鮭の切り身についてくる皮くらいの厚さです。肉厚な身をスープに浸してぱくり。あぶらが浮いているスープに、さっぱりした白身魚。しつこすぎず、たんぱく過ぎず、ほどよいバランスです。
スープを少しすくって、付け合せのマトケ(マッシュポテトのようなもの)にかけて食べます。これが旨いんです。思わず声を出して唸ってしまいました。魚からも出汁が出ているスープとマトケってよく合うんですね。
魚は骨もありますが、ほとんどが太い背骨なのでさほど苦労することなく食べられます。身をほぐしてはスープに浸してぱくり。マトケにスープをかけてぱくり。あっという間に完食です。
ちなみに、左の皿に乗っているものは上の白いものが白米、時計回りに揚げたジャガイモ、パスタ、マトケ、スクマ(ケールのおひたしのようなもの)になります。マトケとスープの相性が格別でしたが、どれをスープと合わせてもよく合いました。ティラピア出汁の万能性に脱帽です。
Vol.10 アイス
おやつの時間が嫌いな人は果たしてこの世にいるのでしょうか。いや、きっといるとは思うのです。でも私は今のところ出会ったことがありません。かくいう私もおやつは好きです(ご飯はもっと好きだけど)。
ということで、今回はおやつ特集です。
まずはみんな大好きアイスクリーム。赤道直下のウガンダ。そりゃ標高は高いし涼しいときもありますが、基本的には暑いです。だから、食後のアイスクリームは心を踊らせてくれます。
ここで問題。アイスはどこに行けば手に入るのでしょうか。海岸部のリゾート地であれば、アイス売りのおばちゃんやお兄ちゃんがアイスの入ったカートを引いていたりします。しかし、ここは内陸でリゾート地とはかけ離れた大都会です。近所のキオスクに行っても冷蔵庫まではあっても冷凍庫はなかなかありません。そうすると行き着く先はひとつ。大型スーパーです。
アフリカ地域にはいくつかメジャーなスーパーがあります。東アフリカに展開しているナクマット(Nakumatt)やウチュミ(UCHUMI)、南部アフリカを中心に展開しているピック・ペイ(Pick Pay)やゲーム(game)。こちらも南部アフリカ中心ですが、アフリカ全土で広くみられるショップライト(Shoprite)。店舗にもよりますが、学校の体育館ほどの広さの売り場があり、運動場ほどの広さの駐車場が併設されているのが基本です。
今回行ったのはウガンダのタウンにあるショップライト。下町にあるため白人もほとんどおらず、地元の人で賑わっています。冷凍コーナーに並ぶのは、チキンや牛肉、ソーセージなど。アイスクリーム・アイスキャンディーも端の方にあります。
アイスは数十円〜100円程度で買えます。今回買ったのはこちらのシンプルなバニラアイス。溶けないようにすぐに宿に持ち帰って食べます。
スプーンをいれると、あっという間に溶けかけたアイスが力なくまとわりつきます。まずは一口。シャリッという食感とともに一瞬バニラの香りがして、あとは甘ったるい砂糖の味だけが口に残ります。砂糖をかけたかき氷のような味です。まずくはないけど物足りない。もう一口。またバニラの香りがして、儚く消えていきます。
日本でもそうですが、こうして売っている安いアイスはほとんど「ラクト・アイス」と呼ばれるもので、乳成分の割合が高い「アイスクリーム」(ハーゲン○ッツ等)とは異なります。だから、こうしたアイスもアイスクリームというよりは氷菓子のような味がするんです。
決してほっぺたが落ちるほど美味しいとは言えませんが、食後のひとときを涼しく過ごさせてくれる一品としては気に入っています。
Vol.11 ブドウ
カンパラでは道を歩いていれば必ず果物売に出くわすと言っても過言ではありません。手押し車で引いている人、持てる分だけ抱えてくる人、頭に乗せてくる人など運び方や売り方は様々ですが、少量から安くで売ってくれるのが魅力です。スーパーや市場ではキロ単位で買わないと嫌な顔をされることがあるので、少量で売ってくれるのは一人旅の私にとっても好都合なんです。
よく町で目にするのは、バナナにマンゴーとパイナップルです。西アフリカであればギニア湾岸、東アフリカでいえばインド洋に面した地域では、ココナッツをよく見かけます。ほかにもパパイヤ、スイカはよく見かけます。
今回購入したのはブドウです。珍しかったので思わず買ってしまいました。あまり東アフリカ産のブドウを見かけることはないのです。最近になって、タンザニアの首都ドドマでワイン産業が試みられているようですが、それ以外はほとんど聞いたこともありません。
さて、早速洗ってパクリ。うーん。酸っぱい。さらに種無しかと思いきや、小さいのに立派な種が入っています。生食用というよりは、ワイン用に近い気がします。いくつ食べても渋いし種はあるしで、舌の感覚がなくなっていきます。食べ終わったときには、口の中の皺が二倍にも三倍にも増えた気がしました。
食べてみて思ったのは、やっぱりマンゴーがよかったということです。日本で買うマンゴーは当たりハズレがありますが、東アフリカ食べるマンゴーはほとんどハズレがありません。そんなマンゴーの話は、ケニア編でしたいと思います。
Vol.12 マフィンとジュース
宿の近くで人がたくさん集まっているお店があったので、とりあえず並んでみました。なにが売っているのか後ろからは見えませんが、とりあえず何か美味しいものが売っているようです。
10分ほど並んでショーケースの中をのぞきこむと、マフィンとドーナツがぎっしりと詰まっています。ちょうど翌日長距離バスに乗る予定だったので、ちょうどいいおやつにとマフィンをひとつ購入。ジュースも買いました。
マフィンは手作りで、プレーンとチョコ、ミックスがあります。とはいえ、完全にプレーン、完全にチョコのマフィンは数個しかありません。ほとんどがミックスです。それもプレーンとチョコの割合は様々。プレーン:チョコが、9:1もあれば、5:5も1:9もあります。私は1:9のチョコが多いものをもらいました。
宿に帰って、バスの荷造りをしているとどうしても小腹が空いてきます。これはもう食べるしかありません。ということで、かぶりつきます。
パサパサしすぎず、ねっとりもしすぎず、ほどよい感じです。歯にまとわりつくこともなく、ボロボロこぼれ落ちることもあまりなく、絶妙のバランスです。思わず食べ過ぎそうになりますが、半分だけバスの旅のために残しておきます。
ジュースはマンゴージュースです。ちょっと化学的な味がする薄めのジュースです。手作りで安心感のあるマフィンと比べて、なんとも心無い味です。といいつつも、甘いマフィンに対して淡い酸味が心地よくこちらは全部飲み干してしましました。
長距離バスの旅には少々心もとないですが、半分だけ残したマフィンとともにケニアに向かいます。