ドーハで喜劇
こんにちは。今泉です。
伊丹から成田、ドーハを経由して、エチオピアの首都アディスアベバに到着しました。
さすがは標高2,000mを超える高山都市。20℃前後と過ごしやすいです。
気前のいいカタール航空
今日は、2日前に訪れたドーハ滞在を振り返って書きたいと思います。
東アフリカに行ったことがある人の多くが滞在したことがあるであろうドーハ。
なんと言っても、日本で有名なのは「ドーハの悲劇」でしょうか。なんかドラマチックな表現ですよね。でも、正確にいうとドーハで暮らす人にとっては、悲劇でもなんでもないでしょうし、「ドーハ=悲劇」という数式は成り立たないのであります。
なにを言いたいかというと、本当は「ドーハで悲劇」という表現が正しいということです。「悲劇 IN ドーハ」ですよ。
だから、今回のタイトルは「ドーハで喜劇」。
………はい、そんな屁理屈はどうでもいいですよね。
とにもかくにも、成田から11時間ほど飛行機に乗ってドーハに着きました。到着時刻は午前4:30で、次のフライトは20:30。16時間もあるのです。
この時間を利用して、ドーハ観光に行きたい!
でも、オイルマネーにまみれたドーハは物価が高いし、出歩くのは大変では…。
実は、あまりそんな心配は必要ありません。(少なくとも、2017年2月13日現在は)。
というのも、カタール航空を利用していくと無料のホテルと観光ツアーが提供されるからです。
まさに、「ドーハで喜劇」。
とはいえ、黙っていたらホテルも提供されなければご飯代さえ出してもらえません。
まずは、カタール航空の空港カウンターに行って、ホテルの手配をしてもらいます。
案内に従って、外へ出るとホテルのスタッフが待っており、ワゴン車でホテルまで連れて行ってくれます。
今回案内されたのは、Concorde Hotelです。空港から20~30分といったところでしょうか。
ドーハ町の中心部は港付近なのですが、港から3kmほど内陸に入ったところにあります。
超高級ホテルではありませんが、いわゆる高級ホテルです。基本的なもの(風呂、シャワー、アメニティ、wifi、飲料水など)は、当然のように揃っています。
魅惑の昼食ビュッフェ
さて、一眠りしているともうお昼どきです。
私のときは、100レアルまでの食事のクーポンもついていました。
昼食のビュッフェが95レアルだったので、ここで使うことにしました。
ちなみに、100レアルは3500円くらいでしょうか。
ビュッフェはINTERNATIONAL FOODだと紹介されました。
メニューは、タンドリーチキン、白身魚のタルタルソース、インドカレー、ビリヤニ、豆のペースト、生野菜、スイーツなど50種類は超えそうな充実度です。
ここでは、せっかくだから本場中東のビリヤニについて少し紹介したいと思います。
ビリヤニは、日本でいう「炊き込みご飯」です。
牛骨出汁でインド米を炊いて、ニンジン、レーズン、カシューナッツ、パセリなどをのせたものです。お米だけであれば、いわゆるインド米版の「炊き込みご飯」なのですが、そこにレーズンやナッツを加えると面白いように味が変化します。
そもそも「レーズン✕炭水化物」っていうのは、黄金の組み合わせだと思います。
学校給食でもよく出るレーズン・パンは、その代表でしょう。
少し塩気のある炭水化物とレーズンは、ほんとうによく合うんです。甘すぎず、主張しすぎず、それでいて飽きがこない。
そして、もうひとつのアクセントは、やはりカシューナッツ。東アフリカでも、ピリヤニは見るのですが、これほどカシューナッツが入っているものは見たことがありません。日本でもそうですが、カシューナッツは少々お高いのです。こんなにふんだんに使っちゃっていいのか、と不安になるほどです。
このナッツが、食感を楽しくしてくれます。パラパラのご飯に、カリッと噛みごたえのあるナッツ。噛み砕くうちに香ばしさが口の中に広がっていきます。いやーうまい。
ちなみに、カシューナッツはスワヒリ語でkoroshoと言って、よく布製品のデザインに用いられたりします。なんだかkoroshoのデザインみていると、日本のヒスイを思い出すのは私だけでしょうか。あの得も言われぬ曲線に魅力を感じるのは、何か文化を超えた根源的な美をカシューナッツが持っているからかもしれません。
タンザニアの南東部はkoroshoの有名な生産地で、バスターミナルには必ずkorosho売りがいます。塩で炒めてあるだけのシンプルなものですが、これはこれで美味しいです。今回の旅でも、(今のところ)訪れる予定なので、今後紹介詳しく紹介したいと思います。
閑話休題。
次はデザート。これも沢山用意されていて、どれにしようか迷ってしまいます。
ケーキ、ムース、プリンが、それぞれ数種類ずつあります。
プリン好きの私は、迷わずイチゴがのったプリンを頂きました。
先日、楽しみにとっていたモロゾフのプリンをある人に食べられたので、今回はそのリベンジでもあります(←なんの話やねん)。
味は、予想していた通りでしょうか。甘い。濃ゆい。
日本でいう「濃厚」とは違った、甘さ、濃さです。
少し固めで、口に入れると喉に張り付くような甘さ。
対照的に、イチゴは全く甘くありません。あまりに甘くないので、サラダにできそうと思ってしまうくらいです。
もちろん、完食です。
ドーハを歩こう
さて、腹ごしらえのあとは町へ繰り出します。今回は、同じくカタール航空のトランジットを待っているバングラデシュ人のおじさんと一緒です。シエラレオネから母国に帰る道中らしく、西アフリカ話がはずみました。
まずは、City Centerと呼ばれる大きショッピング・モールへ向かいます。
おじさんは、3歳の愛娘にお土産を買うらしく1時間半後に待ち合わせをすることに。
私はとくに買うものもないので、モールを一通り見た後は外に出ることに。
一歩外に出ると、さすがドーハ。全面ガラス張りのビルが、立ち並んでいます。とにかくガラス張りばかりで、世界中のガラスの大半はここで使われているのではないかと思ってしまうほどです。
きらびやかな衣装をまとい、空に向かってすっと伸びているビル群は、なんだかファッションショーのスーパーモデルたちを想起させます。建物どうしが対抗意識を持っているような、そんな雰囲気さえ感じるのです。
上ばかりみていても首がつかれるので、視線を落とすと面白いモノが。
ムスリム男性が道路を渡っている標識です。
所変われば標識に描かれる人間まで変わるのかと感心してしまいました。
もう少し歩き回っていると、2匹の猫。
誰かがエサを与えているみたいで、大都市のど真ん中で寄り添うように暮らしていました。
ビルと猫。なんだか不思議な組み合わせです。
街を歩いて小一時間すると、バングラおじさんとの待ち合わせの時刻になっていました。
ここからは、彼と港の方へ向かいます。
港には、クルーザーとクルーザーとそして、クルーザー・・・まれにヨット。
この国では、石油がビルになり、船になるんですね。
一度は乗ってみたいけど、なかなかご縁がなさそうです。
そうこうしている間に、夕暮れどき。
ホテルでひとっ風呂浴びて、空港へ向かいます。
ドーハ経由ならトランジットで!
送迎のワゴン車に乗って、30分ほどで空港へ到着します。
夜のドーハはネオンが輝き、昼とは違った景色を見せてくれました。
たった1日のトランジットでしたが、ドーハを満喫できた滞在でした。
もし、今後ドーハ経由でどこかに行かれる方には、乗り継ぎ時間が長い便を選ぶことをおすすめします。だって、無料でホテルも食事も観光もできるんです。降りなきゃ損です。
いつまで気前のいいサービスが続くはわかりませんが、そこに石油がある限りサービスも続くのではないでしょうか。
ぜひぜひ、みなさまも「ドーハで喜劇」してみてください。
【出発】まもなく搭乗します
【うまか話6】腕利きママのモキモ
こんにちは。今泉です。
渡航日が正式決定しました。2月12日です。
大阪の伊丹空港を出て、成田、ドーハを経由し、エチオピアのアディスアベバへと向かいます。
さて、今日は【うまか話】の第6回!!!
学部時代(スワヒリ語専攻)の先輩の林愛美さんに寄稿してもらいました。ASANTE SANA(ありがとうございます)。
林さんは、ケニアで暮らすマサイの研究をしている大学院生です。
今日は、先輩がフィールドで魅せられた料理モキモについて書いてくれました。
写真をみているだけで、いい匂いがしてきそうです。
それでは、どうぞ!!
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モキモ、
その名前を聞いただけでよだれが出そうです。
私が2013年からフィールドワークを行っているのは、ケニアの大地溝帯、リフトヴァレー州にある人口1400人ほどの村です。
この村に暮らすほとんどがあの牧畜民マサイです。
マサイは牧畜民ですから、家畜の肉やミルクに頼って生きているイメージがあると思います。
もちろん、今もミルクはマサイの食文化の根幹を成していますが、私の行く村では農耕民由来の食文化も豊かです。
村は、州都の近くにあり、かつ農耕民キクユとの交流もさかんなので、町で買った食材で農耕民由来の食べ物を作って日常的に食べている家庭がほとんどです。
ママさんたちに言わせると、同じ料理でもキクユとはちょっと作り方が違うそうですが。
とにかく、食いしん坊な私としては、食べ物の種類が豊富なのは大歓迎です。
私がいつもステイするホストファミリーのお母さんは、キクユとマサイのハーフであり、キクユの伝統料理にも詳しく、村で有名な腕利きの料理人です。
だから私は毎日美味しいご飯を食べさせてもらいながら、元気で調査を続けられるのです。
感謝感謝。
さて、前置きが長くなりましたが、
料理上手なホストマザーが作る中でも、
最高の料理がこちら!!!!
庭で火を起こして作ってくれた
ケニアではモキモ、と呼ばれるマッシュポテトのような料理。
ジャガイモをゆでてつぶし、お好みでゆでたトウモロコシの粒や小豆、グリーンピースなどを混ぜ込みます。
上の写真は大豆とトウモロコシが入ったものです。
味付けは塩だけ。
ケニアの塩は味が濃くてとっても美味しいんです。
ホストマザーのレシピでは、マッシュポテトのようなものができたら、最後にタマネギで香り付けしたサラダ油を絡めてさっと火を通します。
この一手間でうまみがギュッと凝縮される気がします。
あとは、練り手の技術でも味が代わると思われます。
この時のモキモは、滑らかな舌触りでとても美味しかったです。
私が一番好きなのはグリーンピースを混ぜ込んだバージョンです。
グリーンピースのモキモ
この時、グリーンピースは庭の畑で取れたものを使っていました。
ジャガイモの形が残っていますが、これはこれでまた美味しいのです。
グリーンピースのモキモはお祝いの席でも出される料理の一つです。
色合いがきれいだからかも知れませんね。
珍しくアボカドやマンゴーが手に入ったときには、モキモに添えて食べたりもします。
濃厚なモキモとさっぱりしたフルーツの組み合わせが絶妙です。
ジャガイモが収穫できる時期だと、ジャガイモも自家製だったりして新鮮でとても美味しいです。
ああまた食べたい・・・。
【感謝】ご支援ありがとうございました!
こんにちは。今泉です。
火曜日の11時にクラウドファンディングのご支援の募集が終了しました。
その結果、目標金額を16万3千円超える66万3千円のご支援をいただくことができました。
ありがとうございました!!
おかげさまで、無事に旅立つことができそうです。
細かい旅程も、順次発表してまいります。
リターンについても、ご報告したいと思います。
改めまして、この度はありがとうございました!
ご期待に添えるように、頑張ります!!
【あと6時間】ルーサー・キングのこと
こんにちは。今泉です。
これが、クラウドファンディング募集終了前の最後の更新になると思います。
ご支援いただける時間もあとわずかとなりました。
まだの方は、覗いていただけるだけでも嬉しいです↓
さて、先日1月15日はMartin Luther King Jr.(キング牧師)の誕生日でした。
MLKとともに公民権運動で戦ったJohn Lewisのスピーチがこちらです。感銘を受けたので、下に抄訳を載せています。
"Never give up. Never give in," John Lewis empathically tells students on MLK day. "Stand up. Speak up." https://t.co/J1ZywsrLVv pic.twitter.com/aUshIFvhQZ
— CBS News (@CBSNews) 2017年1月16日
Never give up. Never give in.
諦めるな。降伏するな。
Stand up. Speak up.
立ち上がろう。はっきり言おう。
When you see something that is not right, not fair, not just, you have a moral obligation to do something -to say something- and not be quiet.
正しくないことや、公平じゃないこと、正義でないことに気づいたときは、行動を起こし、黙ってないで発言する道義的な責任がある。
Yeah, we have come a distance. We made a lot of progress as a nation and as a people but we're not there yet.
確かに、私たちは遠い道のりを歩いてきた。国家として、国民として大きな進歩を遂げてきた。でも、まだたどり着けてはいない。
The scars and stains of racism are deeply embedded in American society.
アメリカ社会には、人種差別の傷跡と汚点が深く刻まれているのだ。
【抄訳by今泉】
このスピーチに対して、トランプは「口ばっかりだ」と批判しているそうです。
日本もアメリカも、そして世界中どこでも人種差別に対する戦いは、まだまだ終わりそうにありません・・。
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最近、7年間の大学生活を振り返って一番思うのが、「素直」になったらあかん、ということです。
高校時代の私は、大人に抵抗することなんてほとんど考えてきませんでした。両親が教師であることもありますが、先生にしたがって、先生に喜ばれるように振る舞えば、幸せになれると思っていました。
だから、端から見たら「素直」な高校生だったと思います。
きっと、大学でも長崎を出ずに長崎で学び続ければ、「素直」なままだったのでしょう。
でも、長崎を出て、大阪でアフリカのことを学んで、「素直」なだけじゃ、押しつぶされてしまうということを学びました。
それと同時に、「素直さ」というのは、服従し気に入られることや、従属し保護されることではなく、ただ自分の心に率直でいることだと、思うようになりました。
違うと思ったら言い続けること、黙らないこと、伝えることが、本当の意味での素直さだと思います。
だから、いまさらながら大学で学んだことの大きさを感じると同時に、高校まで育った長崎という土地の、学校という社会の怖さも感じています。
とはいえ、決して悪い大人に出会ったわけではありません。いい先生にも、いい大人にも沢山出会いました。だからこそ、怖いんです。疑いを持たせない社会って、気持ち悪くないですか?
世間的な「いい人間」は、知らず知らずのうちに誰かの「素直さ」を踏みにじっているのかもしれないんです。
だから、これからも私は、素直じゃないし、言うこと聞かないし、扱いづらい人間で居続けると思いますが、どうぞ、よろしくお願いしますね^^
【うまか話5】ウガリは白いが味はある
こんにちは。今泉です。
とうとうクラウドファンディング、残り1日になってしまいました!!
リターンの手ぬぐいやフォトブックは非売品です。
この機会を逃さないように、ぜひチェックしてみてください!!
さて、今日はタンザニアを旅しているときに出会った井上満衣さんに寄稿してもらいました。
テーマは、東アフリカの超ポピュラーな主食ウガリです。
主食なのに、白いのに、味があるキャッサバのウガリのお話を味見してみてください!!
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あー、ウガリと食べたい。
日本で味の濃いもの、特に素材の味を活かした料理を食べると思う。
トウモロコシやキャッサバを挽いた粉を、熱湯で練ったものをウガリと呼ぶ。
片手でちぎって、その手でこねてからおかずやトマトベースのシチューにつけてから食べる。東アフリカのタンザニアでは、主食として食べられている。ウガリだけで食べるとおいしいとは言いがたいが、おかずやシチューにつけると、とてもおいしくお腹に溜まる。
わかりやすく言うと、日本食の白ごはんのようなものだ。
タンザニアのレストランでウガリを注文すると、トウモロコシでできたものがほとんどだ。
トウモロコシのウガリはクセがなく、おかずの味を邪魔しない。
その一方、キャッサバを多く栽培している地域の家庭では、キャッサバのウガリが主流だ。キャッサバのウガリはお餅のようにモチモチしている。
キャッサバの皮をむいて、水に2日間つけてから、天日干しにする。乾いたキャッサバからはツーンと鼻につく匂いがする。粉にしても匂いは変わらないが、練って料理をすると全く匂いがなくなり、甘い香りがする。
噛めば噛むほど甘みが出る。
トウモロコシと違って、キャッサバのウガリは味を感じる。
おかずと混じってしまうような味ではなく、ほんのり甘さを感じる程度なので、主食の役目をちゃんと果たしている。
キャッサバのウガリの特徴は、この甘さもだが、なんといってもモチモチした食感である。食べれば食べるほどクセになる。
現地の人は小さく切って飲み込むらしいが、咀嚼に慣れている私にとってはなかなか難しい。
飲み込むということは、このクセになる食感を味わっていないのではないかと思い、現地の人に聞いてみると、手でちぎるときにモチモチを感じているようだ。
しかし、彼らがどのように味を感じているのか、気になるところである。
【必見!】アフリカ料理本&サイト
こんにちは。今泉です。
いよいよ、最後の週末になりました。
ご支援の募集終了まで・・・残り3日です!!
リターンの手ぬぐいやフォトブックは非売品です!
ここでしか手にはいらないのです!
週末のお時間がある間に、お手続きしていただけると嬉しいです。
ご支援はこちらから↓
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さて、今日はアフリカ料理の本やウェブサイトについて紹介したいと思います。
まず、一番におすすめしたいのが『アフリカ料理の本 62の有名なアフリカンレシピ&物語』です。
この本の何が魅力かというと、とにかくデザインと写真が美しいんです。
装丁がいいから、インテリアとして机の上に並べるもよし。
もちろん、料理のレシピ本として使うのもよし。
また、料理や食材のエピソードなど、内容も濃いので、実際に料理を作らなくても、「読書」するもよしなんです。
もっているだけで、まさに心躍る1冊です。
さて、お次はウェブサイト「アフリクック」です。
こちらは、アフリカ料理の作り方、その料理にまつわるエピソードがまとめられたサイトです。アフリカの「有名な」料理だけでなく、あまり知られていない食べ物まで紹介されています。
参考までに、取り上げられている料理の種類をみると、このようになっています↓
ぱっと見ただけで、バラエティ溢れるアフリカ料理が紹介されているのがわかると思います。なお、地域別にも分類されているので、地域ごとの料理を知りたい方にもおすすめです。